よーい、スタート

本当のような嘘のような、嘘のような本当の話していい?
ありがとう。

昨日の夜もモンハンやりながらうとうとしちゃっておっと危ない、そろそろ床につこうかなんて思っていた。

床についてジャストタイミングで隣だか上だかからどんどん音がしだして、男の声もするもんだから、
こんな月曜日から元気だなあ。学生か?なんて思っていた。
そしたらベランダの外の方からも声が聞こえて男たちが待機してるもんだから、
なんだい?引越しかい?なんて思っていた。
隣の部屋は女子だったっぽいことは知ってたからその家族かなんかかななんて。

まあそんなことはそんなに気にも止めずそろそろ寝れるかななんて時、
どこからともなく盛大な喘ぎ声が聞こえてきたんだ。
おうおうおう、何事だ!俺様を誰だと思ってやがる!
ちょいと盛大過ぎやしないか?!なんつってとりあえず飛び起きた。

やることは1つ。その発信源を突き止めることだ。それが漢ってもんだ。
そうだろ?

するとどうやら発信源はさっきの引越しの家からだったようだ。
この距離でいうとマグニチュードは7.0
震源はもはや地面の上。
inevitably,僕の部屋は全壊だ。
いやいやそれにしてもお待ちなさい旦那様。どうにもこうにも引越しからのそんな展開はおかしい。
いやまずこの時間に引越しという自体がまずありえなかったことにその時ようやく気付いた。
カーテンから外をチラリと除くと外から漢たちがその部屋を覗いてる。
僕もちょっと外に出てみることにした。
その漢たちはでかめのテレビでも撮るようなカメラを持っていた。
まさかとは思ったがその時すべてを悟った。

あの引越しのような音は機材の搬入の音、そしてこいつらは見張り的存在。
外には三人くらいいた。

そこから僕の寝れない夜が始まった。

耳をすませばよーい、スタートが何回も聞こえた。
意外とカットって短いものなんだななんて思ったりもしたもんだ。

とにもかくにもこの夜はアブノーマルすぎて今日は一日中そわそわ感が止まらない。

なんだろう、隣の部屋から喘ぎ声が聞こえることはまあ意外とないことではない。
アブノーマルでいいなあなんて誰しもが思うんじゃなかろうか。
しかしながら隣の部屋で撮影が行われてるという機会に出くわすことは生きていてもまずない。
なんとアブノーマル過ぎてこれはもう最高のスパイスや!いや果実や!
なんてなるかも思いきや、それがそうでもない。
それゆえの今日のこのそわそわだ。
まず日常ではそういう漢が見るビデオなんてものは画面の世界の話であって、
なんというかテレビでアイドルを見るのと同じような自分の日常とは別に割りきられている世界の話だ。
それがこんな感じで実世界に突然紛れ込んでもこようものならこれはもはやアブノーマルを通りこして次元の境目に身を置いたような感覚になるわけだ。
そうあれだ、よくわかんないけどそれだ。

そしてなぜ彼女はそんなことに手を出してしまったのか。
何か複雑な事情でもあるのか、といったような感情移入が今日のそわそわなのかもしれない。

深夜1時前から5時過ぎまでそれは続いた。

その後僕はうとうとして少し寝てしまっていた。
起きた頃には外にあった機材的なものもなくいつもの日常に戻っていた。
あれは夢だったんじゃないか、なんて思った方が幸せなくらい僕はどうしようもない気持ちでいる。
いや、夢だったんだな。

Android携帯からの投稿